『ご飯が美味しくない..』
ある人が二口食べて匙を投げました。
「そんなこと言っちゃダメ。食べれるだけで感謝しなきゃ。」
とスタッフが続けます。
『そうね..』
『ご飯が美味しくない』
ある人も言いました。
「何だったら食べれるの?」
とスタッフが言います。
『みんな美味しくない。』
「・・・」
『貴方たちは好きなもの作って食べれるでしょ。私は何もできないのよ!』
"ご飯が美味しくない.."
"みんな美味しくない.."
私にはまるで "叫び" のように聴こえました。
私は尋ねました。
「コーヒーを淹れてもらえませんか?」
『私が?』
「誰かのために作ると味が違う、そんなことありますよね。」
その方は、私が挽いた豆でコーヒーを淹れ、スタッフに振る舞いました。
"失ったもの" や "失っていくもの" しか見えないとき、
"自分が持っているもの" や "自分にあるもの" を
見つめることが出来たら..
その後に聴こえた笑い声は人間の豊かさであると、私は信じています。
(スピリチュアルケア・スタッフ 坂詰大輔)