私たちの思い

私たちの思い

​地縁・血縁の消失、伝統的な宗教の弱体化など、現代社会は人と人との関係が貧困化しています。一方で生老病死は万人に等しく訪れ、人は変えられない出来事に直面します。こうしたスピリチュアルな問題に対し、かつては家族や地域で支え合ってきましたが、人間関係が貧困化した現代においては、個人として向き合わざるを得ない状況にあります。いわば現代社会は、一人ひとりが自らで生き方を見出し、一人ひとりが自らで死に方を見出す時代なのかもしれません。

1999年、世界保健機構(WHO)は健康の定義について、『身体的・精神的・社会的』の3つの領域に加えて、『スピリチュアル』な領域の追加を提案しました。最終的に健康定義の改正には至りませんでしたが、2002年にWHOが発表した緩和ケアの定義においても、『スピリチュアル』という言葉が用いられました。現在、緩和ケアの定義は、厚生労働省を始め様々な医療機関・学会などで引用されています。

日本スピリチュアルケア学会は、その設立趣旨の中でこう述べています。『本会は、すべての人々がスピリチュアリティを有しているという認識に基づき、医療、宗教、福祉、教育、産業等のあらゆる領域において、それぞれの分野が持つ壁を超越するかたちでスピリチュアルケアを実践することこそが、スピリチュアリティの深層の意味を問う作業であるという理念をかかげ、スピリチュアリティの理論的かつ実践的課題を解明することによって、現代に渦巻く様々な問題の解決に努めていこうとするものです。』(日本スピリチュアルケア学会HPより)

ORIZURUは、上智大学グリーフケア人材養成講座の受講生が集まって設立した任意団体です。私たちはスピリチュアリティを『その人の価値観を支える内なる力』と表現しています。スピリチュアルケアを深く学ぶ者として、変えられない出来事に向き合うその人の態度を支え、『その人がその人らしく人生を歩むこと』に貢献して行きたいと考えております。そして社会の様々な領域においてスピリチュアルケアを実践し、『かなしみを支えられる社会』の実現を目指して行きます。